厚生年金への強制加入

厚生年金のお話です。

 

会社にお勤めの方は毎月給料から天引きされていることと思いますが、改めて厚生年金とは、加入適用事業所に勤務されている方全員が加入し、老後(60歳~65歳。生まれた年によって変わります)に保険金の給付が受けられるという、老後の安心のために加入する制度です。

 

加入適用事業所と書きましたが、対象となるのは、株式会社のような法人と、従業員が5人以上いる個人事業所(農林水産業・サービス業・法務・宗教は除く)です。

上記以外は適用事業所ではありませんが、従業員の2分の1以上が加入に賛成している場合には、申請すれば適用事業所になることができます。

対象になると加入は義務となり、必ず加入しなければなりません。

また、加入すると会社と社員で折半して保険料を支払うことになります。

 

さて、年金制度は老後の安心のための制度だと書きましたが、少子高齢化の影響により、必ずしもそう言い切れない状況であると感じている方もいらっしゃることと思います。

年金に対する不安が年々増える昨今、厚生労働省の調査によると、様々な理由で加入していない事業所は約80万件にも上るようです。

 

今までは加入をしていなくてもほとんどお咎めがなかったようですが、平成28年から厚生労働省と日本年金機構が強力な指導に乗り出し、強制加入させる方針となり、立ち入り検査を行うこととなりました。

 

自分の会社がまさか検査なんて・・・と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、厚労省は国税庁から情報を受けて加入していない企業の割り出しを行っています。

事業所は、従業員や税理士、社労士等への報酬の支払が発生し、その支払調書は税務署、つまり国へ提出することになっており、事業所が稼働しているか否か、それだけでわかってしまいます。

そのような事業所が加入していなければ立ち入り検査の対象となります。

 

もしも検査されたら過去の保険料を支払うことになり、保険料・徴収金を徴収する権利(2年)の規定から、最悪の場合には2年分遡って請求されます。

高額になることはもちろん、折半するはずの分を社員が払ってくれるかという問題もあり、大きな負担となることが考えられます。

 

では、罰則や追徴を逃れるためにはどうしたら良いのかということですが、やはり自己申告しかありません。

過去の事例では、自己申告した場合に2年分追徴されたことはないようです(絶対にないとは言い切れませんが・・・)。

 

マイナンバー制度が導入され、今後更に厳しくなる可能性もありますので、今のうちに加入の検討をおすすめ致します。

 

編集 花岡

 

PAGE TOP