困った時のたばこ税?

 景気が悪くなり税収が落ち込むと、必ずと言っていいほど、たばこ税の引き上げの動きが出ます。最近では平成15年と18年に「財源確保」のために1箱20円値上げしました。しかし、この時は、売上が落ち込んで税収はわずかな増加にとどまり、思ったような税収は確保できませんでした。

 

 それにも関わらず、引き上げの動きがあるのは、「健康増進」のためという考えがあるからです。民主党のマニフェストでは「たばこ税は国民の健康を目的とする税に改める」としています。たばこを喫煙する人が減少すれば、間接喫煙による健康被害も少なくなり、医療費・社会保障費の減少につながり、社会保障のコストが低下するという考えです。

 

 「健康増進」ということになると、その目的を達成するためには、税率を大きく引き上げる必要がある。例えば、現在の1箱300円を500円とか600円程度に値上げしないと、効果が期待できないという指摘があります。大幅な引き上げになると、たばこの売上が激減して、国の税収が大きく落ち込んでしまう恐れがあります。仮に「健康増進」という狙いであっても、政府としては、本音では「税収を減らしたくない」はずです。税収が不足すれば、社会保障にも影響がでかねません。

 

 現実問題として、たばこ税は60%が地方の財源に回ります。昨年度は2兆円あまりのうち1兆2000億円です。国・財務省だけでなく地方財政への影響は無視できなくなります。

 

 その結果、平成22年度の税制改正では、1本当たり3.5円の税率引き上げが実施されます。これにより、過去の実績から、1本当たりの販売価格が5円程度の価格上昇となります。

 

現在1箱300円程度が400円程度となる見通し。

 

適用は、平成22年10月1日からとなります。

 

小 口

 

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