手形に押す印鑑の意味

今まで経理の経験が無かったけれど、少しずつ覚えようと思って勉強を始めたというお客さんとお話しする機会がありました。

その中で、知っているようで意外と知らない質問がありましたので調べてみました。

 

お客さんからの質問とは、手形を振出す際に印鑑を三ヶ所に押すけれども、それぞれどんな意味があるのか?というものです。

 

手形に印鑑を押す箇所は、1.手形と控えとの割印 2.収入印紙との割印 3.振出人署名の横の印 の三ヶ所です。

 

一つずつ解説致します。

 

  1. 手形と控えとの割印・・・これは、偽造防止のために行われるようになった慣習のようです。手形要件にはなく絶対に必要なものではないですが、何か問題があったときに割印と照合する可能性があるので押しておいた方が良いと思います。

     

  2. 収入印紙への割印・・・額面が10万円以上の手形を振出す場合に収入印紙を貼り、その印紙と手形に半分ずつかかるように割印をします。これは一度使った収入印紙が再度使われることを防ぐための消印的役割を持っています。この消印は印紙税法でも定められており、押印することによって印紙税を納付したとみなされます。

    押してないからといって手形が無効になることはありませんが、万が一割印がないことが見つかってしまいますと過怠税が課せられますので注意が必要です。

    また、印鑑以外に署名でも良いことになっておりますが、それ以外は認められておりませんので、二重線や「〆」等の記載では消印として効果がありません。

     

  3. 振出人署名の横の捺印・・・手形を振出す際、振出人の署名・もしくは記名をして、その横に押印します。この押印、非常に重要な役割があり、手形の支払期日が来たら受取人は銀行へ持って行って支払のための呈示をしますが、この時に押印がないと支払銀行から支払をしてもらうことができないことになっています。

    支払いをしてもらえないとなると、相手に迷惑をかけるだけでなく信用も失いかねませんので注意が必要です。

    また、押印する印鑑は、振出人が支払銀行に届出ている届出印でなくてはなりませんので、こちらもいつも気に留めておいてください。

     

    編集 花岡

 

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